CASE STUDY
お客様によって環境は多種多様。具体的な事例をご紹介いたします。

BizDevOps※に基づいたシーイーシーの
伴走支援サービスで画像生成AIを
Amazon Nova Canvasにリプレイス
さらにAmazon QuickSightでAmazon Bedrockの利用状況を可視化
パルシステム生活協同組合連合会 様
課題と効果

- 画像やイラストを生成する際、細かなサイズ設定ができなかった
- Amazon Bedrockの利用者数を大まかにしか把握できていなかった。また、パルシステムグループ内の各組織の利用状況、利用シーンは、まったく把握できていなかったため、社内全体に生成AIを訴求する効果的な施策を立案できなかった


- Amazon Nova Canvasの導入と同時に、画像サイズを細かく設定できるプルダウンメニューを設置。用途に合わせて画像サイズを設定が可能になった
- Amazon QuickSightの導入でAmazon Bedrockの利用状況、利用用途を可視化。さらなる普及に向けた効果的な施策の立案が可能になった
※BizDevOpsは、ビジネス、開発、運用の全部門が「ビジネス価値の最大化」という共通のゴールを共有し、一体となって高速なPDCAサイクルを回すための仕組み
会社概要&生成AIの活用状況
生成AIの活用を積極的に推進
1都12県、約170万世帯が利用する生協(消費生活協同組合)として、環境に配慮した商品、できる限り農薬や添加物を使わない商品などを取り揃え、毎日の暮らしを彩る美味しさや利便性を大切にしながら、消費者目線の商品づくりを行っているパルシステム生活協同組合連合会(以下 パルシステム)。そのパルシステムは近年、人手不足などで新たな雇用確保が容易ではない状況と、その影響から人への負担が増加傾向にあることを考慮し、自動化による人的リソースの負担軽減に取り組んでいる。なかでも生成AIは、セキュアな環境で利用できるChatGPTを皮切りに、導入および活用を積極的に推進している最中だ。
ChatGPTを経て、パルシステムはシーイーシーの伴走支援サービスのもと、大量の情報を安全に処理できるClaude、テキストの要約や生成、分類、自由形式のQ&A、情報抽出、埋め込み、検索などさまざまなユースケースをサポートするTitan、テキストからリアルで高品質な画像を生成するStable Diffusionの3つを活用した生成AIを、AWSのAIプラットフォームAmazon Bedrock上に構築。会議資料作成に要する時間の削減、広報・機関誌や社内ポスターに掲載する写真撮影に要する時間の削減、利用者体験の向上などに役立てている。
Amazon Nova Canvasの導入
画像調達のさらなるコスト削減に期待
そうしたなか、Stable Diffusionは導入したバージョンのサポートが終了し、バージョンアップが必要という状況になった。もちろん、そのままバージョンアップしても問題はない。しかしシーイーシーとしては、より良い生成AI環境を提供したいと考え、Amazonが独自に開発した生成AIモデルAmazon Novaの中から、テキストと画像の入力からプロレベルの画像を作成できる画像生成のAIモデルAmazon Nova Canvasを2025年4月に提案。パルシステムはシーイーシーの伴走支援を高く評価しており、5月にはAmazon Nova Canvasを導入した。
生成した画像やイラストの精度や品質など、パルシステムにおけるAmazon Nova Canvasの評価はこれからだが、画像サイズを細かく設定できるプルダウンメニューが用意されたインターフェースは、同社内でも好評だ。用途や掲載サイズに合わせて動画や画像、イラストを生成できるため、Webサイトや組合員向けの広報・機関誌で利用する画像やイラスト調達において、さらなるコスト削減に期待を寄せている。
Amazon QuickSightの導入
生成AI活用からデータ分析のフェーズに
Amazon Bedrockを利用するようになり、パルシステム内で変化が生じてきている。それは、ITツールへの抵抗感が薄まりつつあることだ。以前はITリテラシーの高い人、ITの知見がある人が利用するものという意識があり、新しいIT
ツールを導入しても現場ではなかなか使いこなせない状況だったが、Amazon Bedrockの導入で状況が変化。生成AIによってさまざまな業務効率化が図れることが分かり、職員のITに対する関心も高まっているという。
そこでパルシステムは、次のフェーズとしてBIツールの活用を検討し始めた。BIツールの活用を検討した理由は、Amazon Bedrockの利用状況の可視化だ。徐々に利用者数が増えている実感はあるものの、把握できているのは大まかな利用人数のみだった。日・週・月単位でどの時間帯にどの部門が何名利用したかなど、ブレイクダウンした数字まで把握できるようになると、Amazon Bedrockのさらなる普及に向けた効果的な施策につなげられる。
パルシステムはBIツールを導入したものの、前述の通り、ITリテラシーの問題でまだ全社的な利用には至っていない。しかし、Amazon BedrockをきっかけにITへの関心が向上した今、Amazon Bedrockと同じ環境で利用できて、連携も可能なBIがあれば今後の全社展開も考えられるとして、シーイーシーに相談することにした。シーイーシーではAmazon Bedrockを利用している利用状況などを考慮し、AWSに分析環境を構築できるBIツール、Amazon QuickSightを提案。2025年6月にはAmazon QuickSightを使用できる環境が整った。
今後の展開
シーイーシーが考える導入支援
IT基盤の改修や保守などを含め、パルシステムはシーイーシーと10年以上の付き合いがある。長く続いている理由は、単に要望に応えるだけの支援ではなく、パルシステムと密接に連携し、業務を理解したうえでIT開発・導入のライフサイクルを最適化するBizDevOpsをベースとした伴走支援が大きい。事実、シーイーシーはパルシステムの業務担当者と連日のようにコミュニケーションを図り、現行システムの状況や課題、要望のヒアリング、環境に最適化したITシステムの提案などを行っている。
今後、シーイーシーが提案したいと考えているのは、画像生成の次のステップとして、テキストや画像から、スタジオ品質の動画を生成できるAmazon Nova Reelの活用だ。パルシステムが扱うフレッシュで栄養価の高い食材は、AmazonNova Reelで生成する動画なら、さらにリアルに伝えることができる可能性がある。
伴走支援の一環として、シーイーシーはAmazon QuickSightの内製化も視野に入れている。現在はシーイーシーのサポートを得ながら分析に挑んでいる状況だが、今後はパルシステム自身がデータ分析を主体的に行えるようになることで、業務最適化のスピードは加速していくはずだ。シーイーシーとしては、常にユーザーサイドに立った伴走支援を考えており、Amazon QuickSightの内製化に必要なスキルトランスファーについても惜しみなく提供する考えだ。こういったシーイーシーの姿勢に、パルシステムは大きな信頼を置いている。
各都県で活動する地域生協とパルシステム共済生活協同組合連合会が加入する連合会組織。1都12県を活動エリアに、食品などの商品供給事業・共済・保険事業・福祉事業などを展開。商品を届けた際の状況を親族に知らせる「見守り安心サービス」や、再生可能エネルギーを中心とした電気事業など、社会的な課題を解決するためのサービスや事業も行っている。これからの10年で取り組むべき課題をまとめた「パルシステム2030ビジョン」では、SDGsと同じ方向を見据え、身近な暮らしの視点から共生の社会の実現を目指す。パルシステムの由来は、英語のpal(友達)と system(制度)を組み合わせた造語。「個人の参加が大きな協同を作り出す」という意味が込められている。
本 社:〒169-8527 東京都新宿区大久保2-2-6 ラクアス東新宿
代表者:代表理事長 渋澤 温之
従業員数:418人(※定時職員を除く)
URL:https://www.pal-system.co.jp/


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